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代表取締役の素顔

過去経験し得なかった日本の厳しい社会情勢 2001年1月9日 作成社内文書
2001年、21世紀を迎え、これまで「不動産業界の常識」や「不動産業界の慣習」など、また国の規制に縛られながら一方で守られてきた事柄などが、20世紀末の最後の数年間に、我々を守ってきたとも言える様々な「壁」は、インターネット革命や外資の参入による考え方の変遷などにより、一気に崩れ始めています。そしてこの2001年は、資本主義の論理に基づく本格的な自由競争が激しさを増す『勝負の年』になるでしょう。
日本の経済情勢は、バブル崩壊以降、リストラの繰り返しとIT産業の活性化の下で、流通経路の短絡化(自動車業界及び関連企業等は、部品メ−カ−との相対取引だった部品調達を、インタ−ネットを使った競争入札に切り替え購買コストを低減する・・・)の結果、上場等の企業の増収増益(2001年3月期の連結業績は、経常利益が前期比35%増と過去20年間で最も高い伸びになる見通しとなった・・・日経1223日朝刊)を生み出している反面、まだまだ増える不良債権を抱える金融業界や小売・卸売業者及びサ−ビス業界は再編の嵐が吹き荒れている。高齢化社会の進行(人口伸び率戦後最低で少子高齢化現象明確)の基での失業者の増大と賃金低下と更なる企業倒産・個人破産者の予備軍の増大を造り出していることがそれに追い打ちをかける。特に、小売業界は通販だけでなく、卸業者のカタログ販売に、更には、メーカーがインターネットで直接販売を始めるなど、小売業界にとっては末路以外に見えるものは無くなりつつあるのではないだろうか。
大手企業に始まった人員削減というリストラ(企業の再編成)は、流通経路と形態の再編成に引き継がれ、最終的には企業の絶対数の削減を伴った再編へと結びついている。  戦後急成長を遂げてきた日本の経済は、バブル崩壊を引き金にその矛盾を一気に爆発させ、裕福に見えた庶民の暮らしを一変させるかもしれないのである。そして、財閥主導の戦後の成長期のような質素・倹約、辛抱と勤勉を讃える様な、私たちが経験し得なかった様な貧しい生活に引き戻されるかも知れないのである。
反面、ITの発展は一人当たりのオフィス面積の拡大が必要である為、設備の新設の対応が求められ、また、少子高齢化現象の下での労働人口の減少が労働の機会を増すとも言え、核家族化の更なる進行は世帯数の増加と大都市圏での人口増加はそうした流れには反する結果を生むものであり、淘汰を問われている基でのチャンスと捉えれば家賃相場と地下の低下を伴うとしても、違った局面を分析できるだろう。不況は労働力の対価の低下を意味するだけでなく、勝ち残り組の企業の求人条件と拡大する求職者の希望条件とのズレは『雇用のミスマッチ』(昨年11月度は、新規求人件数に対する就職件数の割合を示す「求人充足率」の低下傾向が続き、企業が4人募集しても、能力などの面で1人しか採用出来ない状態を示す。幾ら求人が活発であっても就職難は解消されないことを意味する。昨年11月の完全失業率は4.8%となった。)を拡大し、過去にあった貧富の差が復活する(現状は殆どの国民が中流意識をもっていた)ことによる新たな住み替えが生じることによる、不動産業務への需要の下支えを生むかも知れないのだ。
また、12月30日の日経社説で『階層化社会』についての記述があった。
20世紀の日本は「国家」「自由」「平等」「豊かさ」などの理想を掲げて、これまで人々のきずなとして機能してきた信頼と秩序が大きくゆらいで、21世紀は未知の舞台が巡る。日本型システムとよばれる規制に守られた社会の枠組みと均質的な夢を描いた戦後の総中流文化の揺らぎがみえる。
市場原理に基づく優勝劣敗型のしくみが浸透するのに伴い、情報技術(IT)革命がもたらした成功者とリストラで職を失うなどした人々との暮らしの落差も顕在化する。実態がどうであれ、『階層化社会』を巡る論争が熱を帯びる空気は確かに広がっている。「ゆとり教育」のもとで進む若者の学力低下やフリ−タ−と呼ばれる無職層が150万人を超えるという現実は、そうした気分のもとで学ぶことや働くことに対するインセンティブ(誘因)の格差を反映したものといえよう。
家族や企業、国家という共同体にもっぱら依拠した20世紀型の産業社会が姿を変え、資質と能力を持った「個人」が世代や国境を超えた情報のネットワ−クで結ばれる社会の宿命でもある。
12月24日付読売『倒産がもたらした絆』の記事では以下のことを教えられます。 (一昨年の夏、大阪のあるメ−カ−が倒産し、オ−ナ−が変わり社員3千人の内約8百人がリストラされた。話は会社に残り必死で再建に当たっている社員の心理状態を探ったもの。「危機に瀕してかえって肩の力が抜けた。今やれることをやろうという気になって、変に充実している」「厳しいがむしろ自分にはいい」と、非常事態に巻き込まれたとき人間はたくましくなることを教えてくれる。仕事量、勤務時間が大幅に増え、人間関係のストレスも強くなったと答えながら「いま生きがいを感じる」答えが急増。さらに、職場の上下関係、助け合い意識、連帯感、信頼感や、家族との絆が強まったという回答が過半数を占める。「危機に直面したとき、助け合い、連帯の絆を強め、できるだけ多くが生き残ろうとする意識の機能が働きだしたから」とみる。
以上のことから、厳しい社会背景のもとで、経費を如何に削減しながら、効率を上げ好結果を生み出すという理想的な営業活動が求められているのである。広告費用の抜本的な見直しが必要である。即、結果につながる経費だけを残すことである。
要するに、のんびりできる時間、気を抜ける時間を作れる能力を持つ社員でなければ、好結果を残す力を本当に持っているとは言えなかったが、これからは、余裕が作れる能力のある者であるならば、更に、その能力を常に緊張を持続せずに自然に仕事をはかどらせるだけの能力アップに結びつけなければならないのである。会社及び社員個人共に総合的な能力アップの努力を惜しみなく続けねばならない。

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